多くのEAを見比べてみよう [投資法 : システムトレード]
何かのジャンルにこれから取り組む場合、最初に全体像を一気に見てしまうのは非常に効果的な方法です。
昔、私が写真の勉強をしたときには、「良い写真」を一気に5,000枚くらい見ました。すると、何となく良い写真のパターンがわかってきたんですね。
FXの自動売買を行いたいのであれば、その成否を握る最大の鍵はEAにあります。優れたEAなら一気に有利になり、駄目なEAなら勝てません。また、自分の性格に合ったEAかどうかも重要ですね。
EA選びに熟達したければ、一気にたくさんのEAを比較しながら見ていくのが有効です。他のEAと比べて際立った特長を持ったEAも見つかったりします。
EA選びの練習には、ゲムトレードが便利ですね。よいEAが見つかれば、そのまま本格運用しても良いわけですし・・・。
運用ツールと投資スキル [投資法 : 全体]
投資では、様々な投資ツール(ソフト)を活用するのが普通です。やや広く考えれば、ローソク足やテクニカル指標を表示できるチャート自体も、投資ツールと言えます。
もう少し狭い意味でのツール --- エントリーやエグジットのタイミングをピンポイントで判定する機能を持ったソフトも、盛んに活用されています。この手のソフトを大きく分けると、
A. シグナル発生ツール
B. 自動売買システム
の2種類があります。Aはソフトが自動発注機能を持っていないもの。Bはソフトが自動的に売買まで行ってしまうものです。
AよりBの方が楽でいい、と思う人も少なくないでしょう。しかし、本来、どちらが良いというものではありません。
確かにBの方がほったらかしにできて楽ですが、相場の急変に対応できるかという不安要素もあります。また、Bに頼っている限り、トレードのスキルは上がりません。(でも、自動売買を使いこなすスキルは上がるでしょう。)
Aのツールのなかには、そのシグナルに従って売買を行っているうちに、裁量トレードのスキルが上がり、ツールに頼らなくても勝てるようになるものもあります。
自分が何を望むのかに従って、AとBを使い分けてください。なお、Bの場合に、本当にほったらかしてしまてはマズイです。最低限、動作・運用結果の監視は人間が行なうべきです。
オプション取引のメリット [投資法 : オプション]
オプション取引のメリットはいろいろあります。まず、取りうる戦略の選択肢が多いので、他のジャンルと比べて知的に勝つことができる点です。ただし、そのためには、オプションの仕組みや戦略を少し勉強しなければならないのですが。
もう1つのメリットは、(個人投資家の)実践者が少ないということです。相場の構図は、少数の勝ち組が大多数の負け組から資金を吸い取ること。みんながやっていることを真似しても、最終的には吸い取られる側になってしまうのです。
その点、オプション取引は実践者が少ないので、勝ち組にまわれる可能性が十分にあるわけです。
また、オプション取引のための情報を日々見ていると、相場のお金の流れがよくわかるという指摘もあります。相場では、資金量や技術に長けた強者(海外の一部の金融機関など)が動向をリードすることが多いですが、かれらが次に何を考えているのかが見えてくる、というわけです。
日経225先物や個別株を行なう上でも、日経225オプション取引の知識は大いに役立つということです。
初心者向け日経225オプション取引教材としては、「ミリオン戦略」を参考にしてください。
非合理的な投資家心理 [投資法 : 全体]
特に意識しないと、ほとんど全ての投資家が非合理的な投資行動を行います。これは、投資家心理が非合理的にできているからです。
よく言われる例が、「損切りは遅く、利食いは早すぎる」というものです。
損を確定させたくないという心理が働くので、裁量取引では損切りが遅れるのです。本来は、見込みのない取引からさっさと撤退して仕切りなおした方が合理的なのですが、感情がなかなかそれを許しません。
また、含み益は早く確定させてしまいたいという衝動に駆られます。もう少し我慢すれば利益を伸ばせる可能性が大きな局面で利食ってしまうのは、やっぱり合理的ではありません。
投資家心理は、そのまま従うと損するようにできているのです。だから、予めよく学んで、合理的な投資行動ができるように対策を考えておく必要があります。
運用成績を評価するスキル(8) [投資法 : 全体]
バックテスト結果も含めて、運用成績を見るときにはデータの量と質を確認することが大事です。
データの量とは、対象となっているトレードの回数や期間などです。トレード回数が多く、期間も長い方が信頼性が高いと考えられます。
例えば、トレードが10回しかなく、8勝2敗という結果だったら、勝率80%と言えるでしょうか?
もちろん、言えませんね。トレード回数が少なくて、相対的に誤差が大きすぎるからです。トレード回数は1,000回くらいあるとよいのですが、ネット上で販売されているトレードシステムでこれを満たしているのは少ないようです。
また、データの質とは、どういう相場を含んだデータか、ということです。強い上昇トレンド、弱い上昇トレンド、ボックス相場、・・・いろいろありますが、ショック相場を含んでいるかどうかは大きなポイントです。
ショック相場は経済危機などの時に、一方向に急激に変化する相場で、不利なポジションを持っていると一瞬で大きな損失を抱える危険性が高いです。サブプライム、リーマンショックなどは、その例ですね。
運用成績を評価するスキル(7) [投資法 : 全体]
プロフィットファクターは、利益額と、その利益を得るために必要なコスト(損失額)の比です。当然、プロフィットファクターの値は大きい方が良いということにまずはなるのですが・・・、話はそう単純ではありません。
まず、プロフィットファクターが大きいからと言って、利益が大きいとは限らないのが1つ目の“ミソ”です。
例えば、利益が2万円で損失が1万円(純利益は1万円)の投資法も、利益が2億円で損失が1億円(純利益は1億円)の投資法も、どちらもプロフィットファクターが2.0なのです。
また、プロフィットファクターが大きすぎると、最適化のし過ぎ(カーブフィッティング)のリスクが高くなる、という問題もあります。これが2つ目の“ミソ”です。
一般的には、プロフィットファクターが2.0前後であることが無難とされているようです。
運用成績を評価するスキル(6) [投資法 : 全体]
自動売買システムを選択する時など、複数のシステムのパフォーマンスを比較検討することはよくあります。例えば、利益率の比較はごく普通に行ないます。
ところで、パフォーマンスを比較するときに、ただ数字を比べただけでは意味がありません。リスクを揃えた上で比較しなければならないのです。例えば、次の2つを比べてみましょう。
(1) 年利40%、最大ドローダウン30%
(2) 年利15%、最大ドローダウン10%
(1)の方が年利が大きいですが、リスク(最大ドローダウン)も大きいです。
本当のリスクは金額で評価しなければなりません。仮に、損失の許容額を30万円とすると、(1)では資金100万円、(2)では資金300万円が上限となります。
この条件で1年間の利益額を計算すると、
(1) 100万円 × 0.4 = 40万円
(2) 300万円 × 0.15 = 45万円
となって、期待できる利益額は(2)の方が大きくなります。
このように、リスクを揃えて比較しないと、正しい判断はできません。
運用成績を評価するスキル(5) [投資法 : 全体]
運用成績を評価するときに、特に注意して見なければならないのがドローダウンでしょう。最大のドローダウンの大きさはもちろんですが、ドローダウンの頻度や時間的な長さも重要です。
たとえば、ドローダウンの大きさがゼロに近くても、その期間が2年間もあったらどう思いますか?
大きな損はしないけれども、その期間中に利益を出せないわけです。重大な機会損失ですね。
このように、ドローダウンはその大きさとともに、頻度や期間の長さもチェックしましょう。
そして、複利運用する場合は、特にドローダウンのチェックをシビアに行なうことが必要です。ドローダウンの大きなトレード方法で複利運用を行うと、一発大損の危険があるからです。
運用成績を評価するスキル(4) [投資法 : 全体]
ペイオフレシオによって、利益と損失の発生の仕方が異なります。(ペイオフレシオとは、利益幅の平均を損失幅の平均で割った値。)
ペイオフレシオが1.0前後の場合は、利益も損失も同じような大きさで発生します。トータルで利益を貯めていくためには、勝率を50%よりずっと大きくする必要があります。
ペイオフレシオが1.0よりずっと大きい場合(例えば2.0とかそれ以上の場合)は、いわゆる“損小利大”のスタイルです。勝つ時には大きく勝つが、勝率が低くなりがちです。損切りを繰り返すことに耐えられるかどうかがポイントです。
ペイオフレシオが1.0よりずっと小さい場合(例えば0.5とかそれ以下の場合)は、こつこつ小さな利益を貯めて、たまに大きく損するスタイルです。勝率は高いので、その点はストレスが無いのですが、たまにやってくる大き目の損失に耐えられるかどうかがポイントです。
ペイオフレシオは“こうでなければならない”というものはありません。どのスタイルでも、一定以上の勝率があればトータルで勝てます。自分の好みに合わせて選べば良いでしょう。
運用成績を評価するスキル(3) [投資法 : 全体]
売買システムを評価する重要ポイントを、前記事より再掲します。
① バックテスト、フォワードテスト、実運用のどれが行われたのか
② テスト(運用)期間の長さ
③ テスト(運用)のトレード数
④ 勝率
⑤ 利益率(月利や年利)
⑥ (最大)ドローダウン
⑦ ドローダウンの時間的な長さ
⑧ プロフィットファクター
⑨ ペイオフレシオ
⑩ 資産曲線
①~③はテスト結果(評価データ)の信頼性にかかわる項目です。そのうち、①はテストデータの質に関するもの、②~③はテストデータの量に関するものです。
バックテストは売買システムの開発時に行なうもので、早い話が過去の相場データを用いたシミュレーションです。パラメータを変えながらシミュレーションを繰り返し、優位性のあるロジックを探すわけです。
バックテストのとき、過去の相場データの一部を使わずにとっておき、ロジックができあがってからそのデータでテストを行うのが、フォワードテストです。
バックテスト同様の成績がフォワードテストで得られれば、そのロジックに対する信頼性は高くなります。
もちろん、実運用で同様の成績が得られればベストです。